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宗像大社 中津宮~由緒と祭神

記事Feb. 23rd,2019
Jan. 26th,2020
訪れた神社の詳細についての備忘録。福岡県宗像市にある宗像大社は全国に6000以上ある宗像神社や厳島神社などの総本宮です。九州本土から7kmに浮かぶ宗像大島にある宗像大社 中津宮の歴史と祀られる神様について。
訪れる時は公式の情報を確認してください。
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由緒

宗像大社

宗像大社の創建は有史以前で詳しくはわかっていませんが、倭国と大陸との間の交易が活発になった4世紀ごろには大陸との交通の要衝である沖ノ島で航海の安全や交流の成就を祈る大規模な祭祀が行われるようになっていたとみられます。この時は社殿がない露天での祭祀で、7世紀ごろには同様の祭祀が御嶽山の山頂や九州本土の田島でも行われるようになります。

8世紀前半に成立した日本最古の歴史書である“古事記”や“日本書紀”には豪族の宗像氏が沖津宮、中津宮、辺津宮の三宮で宗像三女神を祀っていると記され、これまで自然崇拝だった信仰が宗像三女神という人格神への信仰へ変わっていったことがわかります。伝えられる伝承では起源を日本神話に持ちます。天照大神と素戔嗚尊の誓約の時に天照大神が素戔嗚尊の十握劒を噛み砕き吹き出すと、その息の霧から田心姫神、湍津姫神、市杵島姫神の姉妹からなる宗像三女神が生まれました。天照大神の神勅により三神は玄界灘を望む宗像の地に降り立ち、祀られるようになったのが宗像大社のはじまりとされます。宗像大社は記紀に神名とその鎮座する地が明確に記述された最古の神社でもあります。

古くからこの宗像の地の氏神として信仰を集めていましたが、神功皇后が三韓征伐の際にこの地で航海の安全を祈ると霊験があったと言われ大和朝廷から重視されるようになり、航海安全の守護神として崇められるようになりました。律令制導入により国郡制が布かれると宗像一郡が神領として与えられ、宗像氏が神主として神社に奉仕するとともに神郡の行政も司りました。

戦国時代になると武士化した宗像氏は戦に動員されて宗像大社もたびたび攻撃の対象となり宗像氏も衰退しましたが、その都度朝廷や武家の信奉で再建を繰り返してきました。筑前国領主小早川隆景や福岡藩主黒田氏が度々社殿の造営や修理をしたと伝えられます。

第二次世界大戦後には荒廃していた境内が宗像市出身で出光興産の創業者、出光佐三の尽力によって再建されたことが知られます。

宗像大社は2017年に“「神宿る島」宗像・沖ノ島と関連遺産群”の構成資産として世界遺産に登録されました。

中津宮

湍津姫神を祀る中津宮に社殿が造営された時期はわかっていませんが、7世紀ごろには中津宮の裏手にある御嶽山祭祀遺跡で沖ノ島のものと同様の露天祭祀が行われるようになり、16世紀ごろまでには御嶽山の麓に中津宮となる社殿が建てられていたとされています。

祭神

宗像大社

天照大神と素戔嗚尊の誓約の時に天照大神が素戔嗚尊の十握劒を噛み砕き吹き出すと、その息の霧から田心姫神、湍津姫神、市杵島姫神の姉妹からなる宗像三女神が生まれました。天照大神は“汝三神、道の中に降りて居して天孫を助け奉りて、天孫の為に祭られよ”という神勅を三神に授け、高天原から宗像の地に降臨させました。宗像の地に降り立った三神はそれぞれ沖ノ島と宗像大島、九州本土に祀られるようになり、現在の宗像大社の三宮になりました。

宗像大社の三宮とそれぞれの主祭神です。

辺津宮
市杵島姫神いちきしまひめのかみ
中津宮
湍津姫神たぎつひめのかみ
沖津宮
田心姫神たごりひめのかみ

中津宮

中津宮の主祭神は宗像三女神のうちの湍津姫神たぎつひめのかみです。

ご利益

宗像三女神はあらゆる道を導く最も尊い神として、古くから大陸への海路を護る航海安全の神様として信仰されてきました。自動車が発達した現代では交通安全の神様としてよく知られています。

また、天皇家を守護するよう神勅を受けて降臨した宗像三女神は国家安泰の神様でもあります。

摂末社

境内社

本殿の周りに以下の末社が6の社殿に祀られています。

前戸神社さきとじんじゃ
祭神:前戸大神さきとのおおかみ
併祀:蛭田若宮大神、鹽屋大神、伊摩大神、縫殿大神、渡津大神、國連大神、新宮大神、春日大神、酒井大神、伊久志大神、今山大神、若宮大神
年所神社ねんしょじんじゃ
祭神:年所大神ねんしょのおおかみ
併祀:祝詞大神、山部大神、止々大神、荒熊大神、山師大神、君達大神、天宮金宮大神、御竈大神、草上大神、御船漕大神、朝拝大神、稗和大神、風隼大神、政所大神
御嶽神社みたけじんじゃ
祭神:御嶽大神みたけのおおかみ
併祀:息送大神、息正三位大神、和加大神、九日大神、濱宮大神、御衣代大神、河上大神、龍王大神、五位大神、所主大神
祓方神社はらえかたじんじゃ
祭神:祓方大神はらえかたのおおかみ
併祀:山下大神、森大神、津加計志大神、吹浦大神、示現大神、與里嶽大神、地主大神、皇大神宮、飯豐大神
國玉神社くにたまじんじゃ
祭神:國玉大神くにたまのおおかみ
併祀:犬王丸大神、四道大神、小野井大神、息直神社、原比女大神、御靈大神、禊方大神、葦木大神、山手大神、正三位大神、荒船大神
岡堺神社おかさかいじんじゃ
祭神:岡堺大神おかさかいのおおかみ
併祀:津田大神、浪折大神、加津浦大神、大井大神、須田大神、山口御口代大神、和歌大神、只下大神、楯崎大神、年津久大神、千得下符大神、須多田大神、飯盛大神、伊摩大神
本殿左側の境内社
本殿右側の境内社

天真名井の上の斜面に以下の末社が祀られています。

天之真名井神社あまのまないじんじゃ
祭神:不詳

参道横の斜面に以下の末社が祀られています。

織女神社しょくじょじんじゃ
祭神:伊邪那美命いざなみのみこと
天真名井と天之真名井社
織女神社

中津宮正面の鳥居に向かって右側、道路を挟んだところに以下の5社が祀られています。

恵比須神社えびすじんじゃ
祭神:えびす
須賀神社えびすじんじゃ
祭神:須佐之男命すさのおのみこと保食命うけもちのみこと大國主命おおくにぬしのみこと
大歳神社おおとしじんじゃ
祭神:大歳神おおとしのかみ
天満宮てんまんぐう
祭神:菅原神すがわらのかみ
牽牛神社けんぎゅうじんしゃ
祭神:伊邪那岐命いざなぎのみこと
恵比須神社と須賀神社
大歳神社と天満宮
牽牛神社

境外社

近隣に以下の境外社があります。

御嶽神社みたけじんじゃ
祭神:天照大神あまてらすおおみかみ湍津姫神荒魂たぎつひめのかみのあらたま
所在地:宗像市大島2987
厳島神社いつくしまじんじゃ
祭神:市杵島姫神いつくしまひめのかみ
所在地:宗像市大島177
正三位神社しょうさんみいじんじゃ
祭神:綿積大神わたつみのおおかみ
所在地:宗像市大島1293(沖津宮遥拝所)

祭事

以下は主な祭事です。

沖津宮・中津宮両宮春季大祭
4月ごろ(旧暦3月15日)
七夕祭
8月7日
みあれ祭
10月1日
沖津宮・中津宮両宮秋季大祭
10月ごろ(旧暦9月15日)
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