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志賀海神社~由緒と祭神

記事Mar. 22nd, 2021
訪れた神社の詳細についての備忘録。志賀海神社は博多湾に浮かぶ志賀島に鎮座する、海の主宰神である綿津見三神を祀る神社です。全国にある綿津見神社と海神社の総本社でもあります。志賀海神社の歴史と祀られる神様について。
訪れる時は公式の情報を確認してください。
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由緒

志賀海神社の創建については不祥ですが、古くは志賀島北部の勝馬にそれぞれに表津綿津見神、仲津綿津見神、底津綿津見神を祀る表津宮うわつぐう仲津宮なかつぐう沖津宮おきつぐうの3宮があったとされています。

神功皇后の三韓出兵の際には阿曇氏の祖とされる阿曇磯良の協力を得るために訪れ、庇護を受けた神功皇后は三韓出兵を成功させたと伝えられます。志賀島を一大拠点とした古代の海人族である阿曇氏は綿津見三神を祖神として奉斎しました。

二世紀から四世紀の間に阿曇氏が表津宮を本土に近い志賀島南部の勝山に遷座し、仲津綿津見神と表津綿津見神を奉祀したことで現在の志賀海神社となりました。以来、阿曇氏が代々奉斎し、志賀海神社は阿曇氏の中心地であったと考えられています。

平安時代の天安3年(859年)に「志賀海神」の神階が従五位上に授けられているほか、延長5年(927年)にまとめられた延喜式神名帳では名神大社に列しています。弘安4年(1281年)の元寇(弘安の役)の際には志賀島は戦場となり、その様子が描かれた「蒙古襲来絵詞」には志賀海神社の鳥居や社殿が描かれています。

往時には末社375社を有するなど繁栄していましたが、戦乱が続いた南北朝時代以降は衰退しました。その後志賀海神社は筑前国を治めた大内氏によって再興され、九州に出兵した豊臣秀吉も朱印地50石を寄進しました。以降も小早川氏や黒田氏などの武家の庇護を受けます。江戸時代には初代福岡藩主の黒田長政の寄進により本殿、拝殿、楼門などが造営されています。

明治5年(1872年)に近代社格制度で村社に列し、大正15年(1926年)には官幣小社に昇格しました。

祭神

主祭神

志賀海神社の主祭神は仲津綿津見神なかつわたつみのかみ底津綿津見神そこつわたつみのかみ表津綿津見神うはつわたつみのかみの三柱からなる綿津見三神です。

黄泉国から逃げ帰った伊邪那岐命は黄泉の穢れを洗い流すために禊を行いました。伊邪那岐命が川に潜り、川の底で身を清めると底津綿津見神が、川の中ほどで身を清めると仲津綿津見神が、川の水面で身を清めると表津綿津見神が生まれました。

本殿の左殿に仲津綿津見神、中殿に底津綿津見神、右殿に表津綿津見神をそれぞれ祀っています。

配祀神

相殿神として本殿の左殿に神功皇后、中殿に玉依姫命、右殿に応神天皇をそれぞれ祀っています。

ご利益

綿津見三神は古くから海上交通の安全や海産物の恵みをもたらす海の主宰神として信仰され、海上守護交通安全に神徳があると信じられています。

あらゆる穢、厄、災、罪を祓い清める神様としても信仰され、再生回帰災厄祓除に神徳があると信じられています。

さらに、海を支配する綿津見三神は潮の満干によって人の生死をも司るとされることから人の命や生活の吉凶をも左右すると信じられ、病気平癒健康長寿家内安全子供守護にも神徳があると信じられています。

摂末社

境内社

参道に2社の末社が祀られています。

印鑰社いんやくしゃ
祭神:天磐楠船神あめのいわくすふねのかみ(船玉社)、久那土神くなどのかみ(不勿来社)、加具土神かぐつちのかみ(愛宕社)
雁の巣の航空隊で祀られていた3社を合祀した末社。
山之神社やまのかみしゃ
祭神:大山津見神おおやまつみのかみ
印鑰社
山之神社

摂社は1社が本殿に向かって左側に祀られています。

今宮神社いまみやじんじゃ
祭神:宇都志金拆神うつしひかなさくのかみ住吉三神すみよしさんしん天児屋根命あめのこやねのみこと
今宮神社

本殿裏手に8社の末社が祀られています。

熊四郎稲荷社くましろういなりしゃ
祭神:宇迦之御魂神うかのみたまのかみ
秋葉社あきばしゃ
祭神:火具土神かぐつちのかみ
磯崎社いそさきしゃ
祭神:大己貴神おおなむちのかみ少彦名神すくなびこなのかみ
荒神社こうじんじゃ
祭神:奥津比古神おきつひこのかみ奥津比売神おきつひめのかみ火産霊神ほむすびのかみ
松尾社まつのおしゃ
祭神:大山咋神おおやまくいのかみ
祇園社ぎおんしゃ
祭神:素戔嗚命すさのおのみこと
大神宮だいじんぐう
祭神:天照皇大神あまてらすすめおおかみ豊受大神とようけのおおかみ
惣社そうしゃ
祭神:八百万神
往時に祀られていた375社の末社を合祀した末社。
熊四郎稲荷社、秋葉社、松尾社
磯崎社
荒神社、祇園社、大神宮、惣社

境外社

また、近隣に以下の境外社があります。

大嶽神社おおたけじんじゃ
祭神:志奈津比古神しなつひこのかみ志奈津比売神しなつひめのかみ大濱宿禰命おおはまのすくねのみこと保食神うけもちのかみ
所在地:福岡市東区大岳3丁目24-10
小嶽神社おたけじんじゃ
祭神:小濱宿禰命おばまのすくねのみこと
所在地:福岡市東区大岳4丁目4-1
弘天神社ひろてんじんしゃ
祭神:伊弉諾尊いざなぎのみこと伊弉冊尊いざなみのみこと
所在地:福岡市東区弘
沖津宮おきつぐう
祭神:表津綿津見神うわつわたつみのかみ天御中主神あめのみなかぬしのかみ
所在地:福岡市東区勝馬
仲津宮なかつぐう
祭神:仲津綿津見神なかつわたつみのかみ
所在地:福岡市東区勝馬1787

祭事

以下は主な祭事です。

歳旦祭
1月1日
歩射祭
1月15日に近い日曜日
山誉種蒔漁猟祭
4月15日
七夕祭
8月6日~8月7日
男山祭
10月1日
御神幸祭
10月の国土祭の前日(隔年)
国土祭
10月第二月曜日
山誉漁猟祭
11月15日
大祓式・除夜祭
12月31日
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