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勅祭社
古代から朝廷の崇敬が厚い神社には天皇の代理として御幣物を捧げ、御祭文を奏上する勅使が遣わされました。勅使を迎えて執り行う祭儀は勅祭と呼ばれます。
香椎宮が勅使を参向したもっとも古い記録は天平9年(737年)のもので、その後事あるごとに勅使が差遣されました。元応三年(1321年)からは一度の勅祭が中断されましたが、延享元年(1744年)に再興されてからは60年に一度の甲子の年に勅使が参向すると定められました。
勅祭社は定例的に勅使の差遣を受ける神社のことで、明治16年(1883年)に新たに賀茂御祖神社と賀茂別雷神社の葵祭と石清水八幡宮の石清水祭が勅祭と定められて以降16社が勅祭社に定められています。
香椎宮は大正13年(1924年)に勅祭社に定められました。以降は10年に一度の勅使を迎えて勅祭が執り行われていて、2015年までに記録が残っているもので108回の勅祭が斎行されています。
綾杉の傍らにある勅使館は勅祭の時に勅使一行が滞在するための場所です。
また、香椎宮の境内には奈良時代に建てられたと推定される勅使参拝標石と呼ばれる5個の標石があり、勅使や太宰師の参拝儀式の順序場所を示しています。
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