表参道
表参道は西鉄太宰府駅から太宰府天満宮まで続く約300mの参道です。太宰府天満宮の門前町にあたり、3基の鳥居が立つ参道の両側に多くの土産物店や食事処が軒を連ねます。
定番の太宰府名物の梅が枝餅から福岡名産のイチゴ「あまおう」を使ったスイーツまでさまざまなグルメを楽しむことができます。
表参道で一際目を引くのはスターバックスコーヒー太宰府天満宮表参道店です。「自然素材による伝統と現代の融合」というコンセプトで新国立競技場の設計でも知られる建築家の隈研吾氏が設計したもので、伝統的な木組み構造を取り入れたデザインが特徴的です。全国に25店舗ある、その地の象徴となる場所に、その地の特徴を織り込んだデザインで建築された「スターバックス リージョナル ランドマーク ストア」の一つです。
中島神社
楼門に向かって右側の回廊の外側にある中島神社は昭和29年(1954年)に兵庫県豊岡市にある中嶋神社から勧請して創建された中嶋神社の九州分社です。九州菓業界からの要望により勧請された神社で九州の菓業の守護神、「お菓子の神様」としても知られます。
祭神は田道間守命(たじまもりのみこと)です。田道間守命は垂仁天皇の命により不老不死の妙薬とされる木の実「非時香菓(ときじくのかぐのこのみ)」を探すために旅立ちます。ようやくその実を見つけて持ち帰った時には10年もの歳月が経ち、すでに天皇は前年に崩御していました。これを知った田道間守命は大いに嘆き悲しみ、持ち帰った非時香菓の半分を皇太后に献上し、残りの半分を天皇の陵に供えたあと悲しみのあまり亡くなったと伝えられています。
非時香菓は「時を選ばず香る果実」のタチバナのことです。ミカンの原種であるタチバナは葉が常緑であることから、すぐに散ってしまう桜とは対照的に永遠性や永続性の象徴とも考えられていました。古くは菓子(果子)といえば果実のことで、タチバナは最上級品の果子とされていたことから、田道間守命はお菓子の神様として崇敬されるようになりました。
のちに唐菓子が伝わると現代のように菓子といえば和菓子などを指すようになり、中島神社は菓子業者の信仰を集めるようになりました。
本殿
本殿の社殿は延喜5年(905年)に門弟の味酒安行によって祀廟が建てられた後、延喜19年(919年)に怨霊を恐れた醍醐天皇の勅命により藤原仲平により造営されました。その後戦火によって繰り返し焼失し、現在の本殿は筑前国の領主となった小早川隆景が豊臣秀吉の命を受けて5年かけて造営し、天正19年(1591年)に完成したものです。国の重要文化財に指定されています。
本殿は正面にある大唐破風の向拝が特徴的な檜皮葺の五間社両流造で、金彩や朱色を用いた美麗な彫刻で彩られた華麗な桃山時代の建築様式です。太宰府天満宮には拝殿がなく、神事は正面の向拝の下で行われます。
本殿の中も朱色、黒、金彩で美しく彩られ、奥の壇上に神座が設けられています。祭神の菅原道真の墳墓はこの下にあります。