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神生み

記事Oct.21st, 2020
川、風、野などの森羅万象の神々が生まれる話です。
史料によって解釈が異なる場合があります。
史料によって解釈が異なる場合があります。

物語

神生み

島々を産んだ伊邪那岐命いざなぎのみこと伊邪那美命いざなみのみことは次に神々を産みました。初めに大事忍男神おおごとおしおのかみを生みました。 続いて家宅六神かたくろくしんと呼ばれる六柱の神、石土毘古神いわつちびこのかみ石巣比売神いわすひめのかみ大戸日別神おおとひわけのかみ天之吹男神あめのふきおのかみ大屋毗古神おおやびこのかみ風木津別之忍男神かざもつわけのおしおのかみを生みました。さらに、自然にまつわる神々を生みます。

まず、伊邪那岐命いざなぎのみこと伊邪那美命いざなみのみことは海を司る大綿津見神おおわたつみのかみ、河口を司る速秋津比古神はやあきつひこのかみ速秋津比売神はやあきつひめのかみを生みます。

また、この時生まれた速秋津比古神はやあきつひこのかみ速秋津比売神はやあきつひめのかみは海と川を分担する4対の神、沫那藝神あわなぎのかみ沫那美神あわなみのかみ頬那藝神つらなぎのかみ頬那美神つらなみのかみ天之水分神あめのみくまりのかみ国之水分神くにのみくまりのかみ天之久比奢母智神あめのくひざもちのかみ国之久比奢母智神くにのくひざもちのかみを生みました。

次に伊邪那岐命いざなぎのみこと伊邪那美命いざなみのみことは風を司る志那都比古神しなつひこのかみ、木を司る久久能智神くくのちのかみ、山を司る大山津見神おおやまつみのかみ、野を司る鹿屋野比売神かやのひめのかみを生みます。

また、この時生まれた大山津見神おおやまつみのかみ鹿屋野比売神かやのひめのかみも山と野を分担する4対の神、天之狭土神あめのさづちのかみ国之狭土神くにのさづちのかみ天之狭霧神あめのさぎりのかみ国之狭霧神くにのさぎりのかみ天之闇戸神あめのくらどのかみ国之闇戸神くにのくらどのかみ大戸惑子神おおとまとひこのかみ大戸惑女神おおとまとひめのかみを生みます。

伊邪那岐命いざなぎのみこと伊邪那美命いざなみのみことはさらに鳥之石楠船神とりのいわくすぶねのかみ大冝都比売神おおげつひめのかみ火之迦具土神ひのかぐつちのかみを生みます。鳥之石楠船神とりのいわくすぶねのかみ天鳥船あまのとりふね火之迦具土神ひのかぐつちのかみ火之夜芸速男神ひのやぎはやおのかみ火之炫毗古神ひのかがびこのかみとも言います。しかし、次に火の神である火之迦具土神ひのかぐつちのかみを産んだ時に伊邪那美命いざなみのみことは火傷を負い、病床に伏してしまいます。

神避り

苦しむ伊邪那美命いざなみのみことが出した汚物からも次々と神が生まれました。吐瀉物からは金山毘古神かなやまびこのかみ金山毘売神かなやまびめのかみ、大便からは波邇夜須毘古神はにやすびこのかみ波邇夜須毘売神はにやすびめのかみ、尿からは彌都波能売神みつはのめのかみ和久産巣日神わくむすびのかみが生まれます。この和久産巣日神わくむすびのかみの子は豊宇気毗売神とようけびめのかみです。しかしついには伊邪那美命いざなみのみことは死んでしまいます。

こうして伊邪那岐命いざなぎのみこと伊邪那美命いざなみのみこと伊邪那美命いざなみのみことが死ぬ前に生んだ島は14島、神は三十五神です。ただし、淤能碁呂島おのごろじまはこれには含まれず、蛭子ひるこ淡島あわしまは二神の子には数えられません。

伊邪那美命いざなみのみことの死に伊邪那岐命いざなぎのみことは泣き悲しみ、その涙からも神が生まれました。この神は香山かぐやま畝尾うねお木本このもとに鎮座する泣沢女神なきわめのかみです。伊邪那岐命いざなぎのみこと伊邪那美命いざなみのみこと出雲国いずものくに伯岐国ほうきのくにの境にある比婆山ひばやまに葬りました。

火神被殺

伊邪那美命いざなみのみことを失った怒りから火之迦具土神ひのかぐつちのかみ十拳剣とつかのつるぎで斬殺してしまいます。剣から滴って湯津石村ゆついわむらにかかった血からは石折神いわさくのかみ根折神ねさくのかみ石筒之男神いわつつのおのかみ甕速日神みかはやひのかみ樋速日神ひはやひのかみ建御雷之男神たけみかづちのおのかみ闇淤加美神くらおかみのかみ闇御津羽神くらみつはのかみの八柱の神が生まれました。

さらに、殺された火之迦具土神ひのかぐつちのかみの体からも正鹿山津見神まさかやまつみのかみ淤縢山津見神おどやまつみのかみ奥山津見神おくやまつみのかみ闇山津見神くらやまつみのかみ志藝山津見神しぎやまつみのかみ羽山津見神はやまつみのかみ原山津見神はらやまつみのかみ戸山津見神とやまつみのかみの八柱の神が生まれました。

伊邪那岐命いざなぎのみこと火之迦具土神ひのかぐつちのかみを斬った十拳剣とつかのつるぎ天之尾羽張あめのおはばりと言います。

用語

登場する神様

伊邪那岐命いざなぎのみこと
伊邪那美命とともに日本の国土を生んだ神。伊邪那美命の兄であり夫。
伊邪那美命いざなみのみこと
伊邪那岐命とともに日本の国土を生んだ神。伊邪那岐命の妹であり妻。

神生みで生まれた神

家宅六神
石土毘古神いわつちびこのかみ
土の神。
石巣比売神いわすひめのかみ
砂の神。
大戸日別神おおとひわけのかみ
門戸の神。
天之吹男神あめのふきおのかみ
屋根葺きの神。
大屋毗古神おおやびこのかみ
屋根の神。
風木津別之忍男神かざもつわけのおしおのかみ
風から家を守る神。
自然を司る神
大綿津見神おおわたつみのかみ
海の神。
速秋津比古神はやあきつひこのかみ
河口の神。
速秋津比売神はやあきつひめのかみ
河口の神。
志那都比古神しなつひこのかみ
風の神。
久久能智神くくのちのかみ
木の神。
大山津見神おおやまつみのかみ
山の神。
鹿屋野比売神かやのひめのかみ
野の神。
他の神
大事忍男神おおごとおしおのかみ
達成の神。伊邪那岐命と伊邪那美命が最初に産んだ神。
鳥之石楠船神とりのいわくすぶねのかみ
神の船。天鳥船神あめのとりふねのかみとも。
大冝都比売神おおげつひめのかみ
穀物の神。
火之迦具土神ひのかぐつちのかみ
火の神。火之夜芸速男神ひのやぎはやおのかみ火之炫毗古神ひのかがびこのかみとも。
豊宇気毗売神とようけびめのかみ
和久産巣日神の子。豊受大神宮に祀られる食物の神。
泣沢女神なきわめのかみ
伊邪那美命を失った伊邪那岐命の涙から生まれた神。
速秋津比古神と速秋津比売神の子
沫那藝神あわなぎのかみ
泡の神。
沫那美神あわなみのかみ
泡の神。
頬那藝神つらなぎのかみ
水面の神。
頬那美神つらなみのかみ
水面の神。
天之水分神あめのみくまりのかみ
灌漑の神。
国之水分神くにのみくまりのかみ
灌漑の神。
天之久比奢母智神あめのくひざもちのかみ
水を汲む瓢箪の神。
国之久比奢母智神くにのくひざもちのかみ
水を汲む瓢箪の神。
大山津見神と鹿屋野比売神の子
天之狭土神あめのさづちのかみ
土の神。
国之狭土神くにのさづちのかみ
土の神。
天之狭霧神あめのさぎりのかみ
霧の神。
国之狭霧神くにのさぎりのかみ
霧の神。
天之闇戸神あめのくらどのかみ
暗がり、もしくは転じて谷の神。
国之闇戸神くにのくらどのかみ
暗がり、もしくは転じて谷の神。
大戸惑子神おおとまとひこのかみ
道に迷うことの神格化とも。
大戸惑女神おおとまとひめのかみ
道に迷うことの神格化とも。
伊邪那美命の汚物から生まれた神
金山毘古神かなやまびこのかみ
吐瀉物から生まれる。金鉱の神。
金山毘売神かなやまびめのかみ
吐瀉物から生まれる。金鉱の神。
波邇夜須毘古神はにやすびこのかみ
大便から生まれる。土の神。
波邇夜須毘売神はにやすびめのかみ
大便から生まれる。土の神。
彌都波能売神みつはのめのかみ
尿から生まれる。水の神。
和久産巣日神わくむすびのかみ
尿から生まれる。生産の神。豊受比売神の母神。
殺された火之迦具土神の血から生まれた神
石折神いわさくのかみ
十拳剣の先端から岩に落ちた血から生まれる。
根折神ねさくのかみ
十拳剣の先端から岩に落ちた血から生まれる。
石筒之男神いわつつのおのかみ
十拳剣の先端から岩に落ちた血から生まれる。
甕速日神みかはやひのかみ
十拳剣の刀身の根本から岩に落ちた血から生まれる。
樋速日神ひはやひのかみ
十拳剣の刀身の根本から岩に落ちた血から生まれる。
建御雷之男神たけみかづちのおのかみ
十拳剣の刀身の根本から岩に落ちた血から生まれる。
闇淤加美神くらおかみのかみ
十拳剣の柄から岩に落ちた血から生まれる。
闇御津羽神くらみつはのかみ
十拳剣の柄から岩に落ちた血から生まれる。
殺された火之迦具土神の体から生まれた神
正鹿山津見神まさかやまつみのかみ
火之迦具土神の頭部から生まれる。
淤縢山津見神おどやまつみのかみ
火之迦具土神の胸部から生まれる。
奥山津見神おくやまつみのかみ
火之迦具土神の腹部から生まれる。
闇山津見神くらやまつみのかみ
火之迦具土神の陰部から生まれる。
志藝山津見神しぎやまつみのかみ
火之迦具土神の左腕から生まれる。
羽山津見神はやまつみのかみ
火之迦具土神の右腕から生まれる。
原山津見神はらやまつみのかみ
火之迦具土神の左脚から生まれる。
戸山津見神とやまつみのかみ
火之迦具土神の右脚から生まれる。

登場する場所

出雲国いずものくに
現在の島根県東部。
伯岐国ほうきのくに
伯耆国。現在の鳥取県の一部。
香山かぐやま畝尾うねお木本このもと
奈良県橿原市にある畝尾都多本神社のある地のこととされる。
比婆山ひばやま
伊邪那美命が葬られた山。島根県安来市の比婆山など各地に伝承がある。

登場する道具

十拳剣とつかのつるぎ
10束の長さの剣。1束はこぶし一つ分の長さ。ここでは天之尾羽張あめのおはばりという名の伊邪那岐命の神剣。

他の用語

神生みかみうみ
神産みとも。伊邪那岐命と伊邪那美命が森羅万象の神々を生んだこと。
家宅六神かたくろくしん
家宅を守る六柱の神。
神避りかむさり
神、伊邪那岐命が死者の国へ行ったこと。
火神被殺かしんひさつ
伊邪那岐命が火の神、火之迦具土神を殺したこと。
湯津石村ゆついわむら
神聖な石の群。
史料によって解釈が異なる場合があります。
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