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国生み

記事Oct.20th, 2020
日本の国土となる島々が生まれる話。
史料によって解釈が異なる場合があります。
史料によって解釈が異なる場合があります。

物語

国生み

神代七代かみのよななよの最後に生まれた伊邪那岐命いざなぎのみこと伊邪那美命いざなみのみこと天津神あまつかみ天沼矛あめのぬぼこを与えられ、まだ渾沌としていた大地を完成させるよう命じられました。伊邪那岐命いざなぎのみこと伊邪那美命いざなみのみこと天浮橋あめのうきはしに立ち、天沼矛あめのぬぼこで渾沌とした地上を掻き混ぜました。すると矛から滴り落ちたものが積もって淤能碁呂嶋おのごろじまになりました。この島に降り立った二神は淤能碁呂嶋おのごろじま天の御柱あまのみはしら八尋殿やひろどのを立てました。

伊邪那岐命いざなぎのみこと伊邪那美命いざなみのみことにお前の体はどうなっているのかと問いました。伊邪那美命いざなみのみことは、私の体には出来上がっていないところがあると答えました。すると伊邪那岐命いざなぎのみことは私の体の余っている部分でお前の体の出来上がっていないところを差し塞いで国を生むのはどうだろうかと言い、伊邪那美命いざなみのみことは同意しました。すると伊邪那岐命いざなぎのみこと天の御柱あまのみはしらを別々に回って結婚しようと言いました。

そして、伊邪那岐命いざなぎのみことが左回りに、伊邪那美命いざなみのみことが右回りに天の御柱あまのみはしらの周りをまわり、出逢った所でまず伊邪那美命いざなみのみこと伊邪那岐命いざなぎのみことをなんて美しい男でしょうと褒め、続いて伊邪那岐命いざなぎのみこと伊邪那美命いざなみのみことのなんて美しい女だろうと褒めてから交わりました。しかし、伊邪那岐命いざなぎのみことは女から先に誘ったのは良くなかったと言い、そして最初に生まれた子は水蛭子ひるこでした。水蛭子ひるこは不完全な子であったため葦船あしぶねに乗せられて流されてしまいました。

次に生まれた淡嶋あわしまも二神の子として数えることはありませんでした。困った二神は天津神あまつかみの下へと赴いてこの理由を尋ねました。天津神あまつかみ布斗麻迩ふとまにによる占いの結果、女から誘ったのが原因でよくない結果となったと言ったので、二神は伊邪那岐命いざなぎのみことから誘って改めて交わります。

島産み

伊邪那岐命いざなぎのみこと伊邪那美命いざなみのみことは初めに淡道之穂之狭別嶋あわじのほのさわけのしまを生みました。

次に生んだ伊予之二名嶋いよのふたなのしまは4つの顔があり、それぞれに名前があります。伊予国いよのくに愛比売えひめ讃岐国さぬきのくに飯依比古いいよりひこ粟国あわのくに大宜都比売おおげつひめ土佐国とさのくに建依別たけよりわけと言います。

続いて天忍許呂別あめのおしころわけとも呼ばれる隠伎之三子嶋おきのみつごのしま、それに筑紫嶋つくしのしま生みます。筑紫嶋つくしのしまも4つの顔があり、それぞれに名前があります。 筑紫国つくしのくに白日別しらひわけ豊国とよのくに豊日別とよひわけ肥国ひのくに建日向日豊久士比泥別たけひむかひとよくじひねわけ熊襲国くまそのくに建日別たけひわけと言います。

次に天比登都柱あめひとつはしらとも呼ばれる伊伎嶋いきのしま天之狭手依比売あめのさでよりひめとも呼ばれる津嶋つしま佐度嶋さどのしま天御虚空豊秋津根別あまつみそらとよあきづねわけとも呼ばれる大倭豊秋津嶋おおやまととよあきつしまを生みました。これら8つの島はこれらは大八嶋国おおやしまのくにと呼ばれます。

また、伊邪那岐命いざなぎのみこと伊邪那美命いざなみのみことは帰る前に建日方別たけひかたわけとも呼ばれる吉備児嶋きびのこじま大野手比売おおのでひめとも呼ばれる小豆嶋あずきじま大多麻流別おおたまるわけとも呼ばれる大嶋おおしま天一根あめひとつねとも呼ばれる女嶋ひめじま天之忍男あめのおしおとも呼ばれる知訶嶋ちかのしま天両屋あめのふたやとも呼ばれる両児嶋ふたごのしまを生みました。

用語

登場する神様

伊邪那岐命いざなぎのみこと
神代七代の最後に伊邪那美命とともに生まれた神。伊邪那美命の兄。
伊邪那美命いざなみのみこと
神代七代の最後に伊邪那岐命とともに生まれた神。伊邪那岐命の妹。

島産みの前に生まれた神

水蛭子ひるこ
伊邪那岐命と伊邪那美命が最初に産んだ子だが、不完全な子だったため二神の子の数には入れない。
淡嶋あわしま
伊邪那岐命と伊邪那美命が蛭子に続いて産んだ子だが、不完全な子だったため二神の子の数には入れない。

大八嶋

愛比売えひめ
伊予之二名嶋のうちの伊予国の神格化。
飯依比古いいよりひこ
伊予之二名嶋のうちの讃岐国の神格化。
大宜都比売おおげつひめ
伊予之二名嶋のうちの粟国の神格化。
建依別たけよりわけ
伊予之二名嶋のうちの土佐国の神格化。
天忍許呂別あめのおしころわけ
隠伎之三子嶋の神格化。
白日別しらひわけ
筑紫嶋のうちの筑紫国の神格化。
豊日別とよひわけ
筑紫嶋のうちの豊国の神格化。
建日向日豊久士比泥別たけひむかひとよくじひねわけ
筑紫嶋のうちの肥国の神格化。
建日別たけひわけ
筑紫嶋のうちの熊襲国の神格化。
天比登都柱あめひとつはしら
伊伎嶋の神格化。
天之狭手依比売あめのさでよりひめ
津嶋の神格化。
天御虚空豊秋津根別あまつみそらとよあきづねわけ
大倭豊秋津嶋の神格化。

他の島々

建日方別たけひかたわけ
吉備児嶋の神格化。
大野手比売おおのでひめ
小豆嶋の神格化。
大多麻流別おおたまるわけ
大嶋の神格化。
天一根あめひとつね
女嶋の神格化。
天之忍男あめのおしお
知訶嶋の神格化。
天両屋あめのふたや
両児嶋の神格化。

登場する場所

神話の場所

天浮橋あめのうきはし
天上にある下界へ降りる途中にある橋。下界を見渡すことができる。
淤能碁呂嶋おのごろじま
伊邪那岐命と伊邪那美命が天沼矛で作り出した島。非実在説と実在説があり、兵庫県の沼島をはじめとして各地に伝承が残る。

島産みで生まれた島

大八嶋国
淡道之穂之狭別嶋あわじのほのさわけのしま
淡路島。
伊予之二名嶋いよのふたなのしま
四国。
隠伎之三子嶋おきのみつごのしま
隠岐諸島。
筑紫嶋つくしのしま
九州。
伊伎嶋いきのしま
壱岐島。
津嶋つしま
対馬。
佐度嶋さどのしま
佐渡島。
大倭豊秋津嶋おおやまととよあきつしま
本州。
他の島々
吉備児嶋きびのこじま
現在の岡山県の児島半島。江戸時代までは島だった。
小豆嶋あずきじま
香川県の小豆島。
大嶋おおしま
山口県の屋代島(周防大島)。
女嶋ひめじま
大分県の姫島。
知訶嶋ちかのしま
長崎県の五島列島。
両児嶋ふたごのしま
長崎県の男女群島。

他の場所

伊予国いよのくに
現在の愛媛県。
讃岐国さぬきのくに
現在の香川県。
粟国あわのくに
阿波国あわのくに。現在の徳島県。
土佐国とさのくに
現在の高知県。
筑紫国つくしのくに
現在の福岡県のほとんどの部分。
豊国とよのくに
現在の福岡県の一部と大分県。
肥国ひのくに
現在の長崎県、佐賀県と熊本県。
熊襲国くまそのくに
襲国そのくにとも。熊襲くまその人々が住む九州南部にあったとされる国。

登場する道具

天沼矛あめのぬぼこ
天津神が伊邪那岐命と伊邪那美命に与えた矛。
布斗麻迩ふとまに
太占ふとまにとも。占いの一種で、牡鹿の肩甲骨を焼いて骨の表面の割れ目の模様によって占う。

他の用語

国生みくにうみ
国産みとも。伊邪那岐命と伊邪那美命が日本の国土を生んだこと。
神代七代かみのよななよ
別天津神に続いて現れた7世代の神々。
天津神あまつかみ
高天原にいる神々と高天原から降臨した神々。
天の御柱あまのみはしら
天を支える柱という意味。詳しい描写はない。
八尋殿やひろどの
8人が手を広げて繋いだほどの大きさの建物という意味。詳しい描写はないが伊邪那岐命と伊邪那美命の住居であると言われる。
葦船あしぶね
葦を編んで作った舟。
大八嶋国おおやしまのくに
本州、九州、四国、淡路、壱岐、対馬、隠岐、佐渡の8つの島のこと。日本の古称でもある。
島生みしまうみ
伊邪那岐命と伊邪那美命が日本の国土となる島々を生んだこと。
史料によって解釈が異なる場合があります。
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