日光山内は古代以来の山岳信仰を伝える二荒山神社、江戸時代の一流の建築や工芸の技術のすべてを持って造営された徳川幕府の聖地である東照宮、日光を開山した勝道上人の創建で1200年の法灯を伝えてきた輪王寺の「二社一寺」で構成され、「日光の社寺」として1999年に世界文化遺産に登録されました。この二社一寺はもともと「日光山」として一体的な信仰が行われており、明治時代の神仏分離まで神仏習合の信仰が行われていました。
現在でも神社と寺院が共存し、その面影が残る日光山内を訪れます。
輪王寺は日光各所に点在する三仏堂、大猷院、慈眼堂、常行堂、大護摩堂、中禅寺、四本龍寺などの寺や堂、支院の総称で、天台宗の大本山の一つです。本堂にあたる三仏堂には日光三山の男体山、女峰山、太郎山を神格化した日光三所権現のそれぞれの本地仏である千手観音、阿弥陀如来、馬頭観音の三仏の本尊が安置されています。これらの仏像はそれぞれ約7.5mもある国内有数の大きさです。
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東京から電車で約3時間、東武日光駅に到着しました。
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今回は普通列車で訪れましたが、特急なら2時間ほどで着きます。
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東武日光駅の構内。あまり大きな駅ではありません。
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東武日光駅の駅舎は山小屋をイメージしたアルペン風の三角屋根が特徴的です。
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駅前にある「世界遺産のまち、日光」の看板。
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少し離れて駅舎を眺めます。この駅舎は1979年に改築されたものです。
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日光山内へは駅前からバスが出ていますが、今回は徒歩で行くことにします。
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駅前から続く道は国道119号線で、江戸幕府が日本橋との間に整備した日光街道の一部でした。お土産屋や飲食店が点在します。
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昔はこの道路を日光軌道線という路面電車が走っていてケーブルカーに乗り換えることで中禅寺湖の手前の明智平まで行くことができましたが、1968年に廃止されてしまいました。
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沿道には江戸時代から続く歴史ある店舗も見かけられます。
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通りから少し離れた斜面に立つ白い建物は日光市役所日光総合支所です。「大名ホテル」として15年もの歳月を費やして建設されて1919年に完成しましたが、ホテルとして使われたという記録はなく、1954年から市庁舎として使用されています。
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坂を上っていきます。日光山内はもうすぐです。
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坂の上に古い建物が見えてきます。日光物産商会本館です。
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日光物産商会はもとは日光金谷ホテルのお土産店として開業しました。日光金谷ホテルはこの裏手にあります。
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1905年に建てられたこの建物は国の登録有形文化財にも指定されています。
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日光物産商会の向かいにある磐裂霊水。
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日光開山の祖である勝道上人がこの地で清水を発見し、それ以来修験者が神仏に供えた霊水と伝えられています。
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日光物産商会のすぐ横には神橋が見えてきます。日光山内の最初の名所でその玄関口ともいえる神橋です。神橋はこの後訪れる二荒山神社の建物で世界遺産にも登録されています。
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766年、大谷川のほとりへたどり着いた勝道上人一行が急流に阻まれて渡れずにいた時、神仏に加護を求めると深沙大王が現れて2匹の蛇を放ち、その蛇はたちまち川の対岸とを結び、さらに蛇の背中に山菅が生えて橋となり一行は大谷川を渡ることができたという伝説が残されています。現在のような朱塗りの橋になったのは1636年の東照宮寛永の大造替の時であり、1902年に洪水で流失した後1904年に再建されました。
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神橋の下には大谷川が流れています。水が透き通ってきれいです。
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寛永の大造替で架け替えられた後は神橋は神聖な橋として神事や将軍、勅使、幣帛供進使などの参向の時のみ使用されるようになり、一般の通行のために下流に日光橋が架けられました。現在の日光橋は自動車の通行が増えてきた1962年に架け替えられたものです。
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日光橋を渡るとすぐに日光山内、世界遺産「日光の社寺」の入り口です。
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世界遺産の記念碑。
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階段は森の中へ入っていきます。
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そのまま階段を上がっていっても良いのですが横にある細い階段を上がってみます。
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後ろを振り返ります。
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下に神橋が見えます。神橋の上は有料で一般公開されていますが反対側へ渡りきることはできません。
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進んでいくと深沙王堂があります。
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深沙王堂は神橋の伝説で勝道上人一行を助けた深沙大王を蛇王権現として祀っています。
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歩いてきた遊歩道を振り返ります。
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深沙王堂の前を過ぎるとすぐに長坂という坂があります。
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この道も江戸と日光山を結んだ日光街道の一部です。現在も日光山の表参道となっています。
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杉の森の中を進んでいきます。
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角を曲がるとさらに坂が続きます。
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立派な杉の森です。
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新緑が美しい季節です。
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二つ目の角を曲がるともうすぐ坂の頂上です。
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坂の途中には長さか滝という小さな滝があります。
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道の脇を流れる小さな水の流れが滝となっています。
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上ってきた坂道を振り返ります。
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坂を上りきると日光山を構成する二社一寺の一つ、輪王寺が見えてきます。入口には日光開山の祖である勝道上人の像があります。
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勝道上人は奈良時代から平安時代初期にかけての僧侶で幼少期に受けた「仏の道を学び、日光山を開くように」というお告げに従って日光山を開山しました。この像は日光山の開山1200年を記念して1955年に建てられました。
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勝道上人の像の前にある立派な水盤。こちらは明治30年(1897年)奉納されたものです。
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境内へ入っていきます。
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勝道上人像を過ぎると輪王寺の大本堂に当たる三仏堂があります。2007年から平成の大修理が行われており、囲いで覆われているため全容を見ることができません。
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三仏堂を正面から見ます。右側には推定樹齢500年といわれる金剛桜が植えられています。現在の三仏堂は1645年に大雪で倒壊したために徳川家光によって再建されたものです。もともとは今の二荒山神社の社務所がある場所にありましたが、明治時代の神仏分離によって現在の場所に移築されています。
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三仏堂の正面に向かって左側に拝観券売り場があり、三仏堂の中に入るための拝観券を購入できます。輪王寺の一部である大猷院霊廟も拝観できるセット券が便利です。
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三仏堂へ入っていきます。
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輪王寺三仏堂の御朱印。三仏堂の中でいただくことができます。
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拝観を終えて三仏堂の裏側へ出ました。三仏堂の内部は写真撮影することができませんが、ご本尊である高さ約7.5mもある千手観音、阿弥陀如来、馬頭観音の日光三社権現本地仏の木彫り坐像が安置されています。
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三仏堂の裏手には大護摩堂があります。ご本尊である五大明王を中心に30体の仏様が祀られており、護摩木を焚き祈禱が行われています。
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大護摩堂でも御朱印をいただくことができます。
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大護摩堂を過ぎると広い参道に出ます。こちらは左側。
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右側へ続く参道。
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参道は東照宮へ続いていきます。
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東照宮へ向かいます。