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因幡の白兎

記事Oct.27th, 2020
のちに大国主神となる大穴牟遅神がウサギを助ける話。
史料によって解釈が異なる場合があります。
史料によって解釈が異なる場合があります。

物語

因幡の白兎

のちに大国主神おおくにぬしのかみとなる須佐之男命すさのおのみことの六世の孫にあたる大穴牟遅神おおなむちのかみには八十神やそがみと呼ばれる多くの兄弟がいました。しかし、末っ子の大穴牟遅神おおなむちのかみは兄弟たちに迫害されていました。

ある日、八十神やそがみ稲羽いなば八上比売やがみひめに求婚するために稲羽いなばへ出かけました。八十神やそがみ大穴牟遅神おおなむちのかみも荷を持たせて従者として連れていきました。

一行が気多の岬けたのみさきへ差し掛かった時、体の皮を剥かれて泣いている一匹の兎を見つけました。八十神やそがみは意地悪をして兎に海水を浴びて山の頂で風にあたると良いと教え、兎はその通りにしました。兎がその通りにすると海水が乾くにつれて体中の皮が裂けてきてもっとひどく痛みだしました。

兎がさらに苦しんで泣いていると遅れて歩いていた大穴牟遅神おおなむちのかみがやってきました。兎を見つけた大穴牟遅神おおなむちのかみがなぜ泣いているのか問うと兎は、淤岐おきの島に住んでいて、一度この国に渡ってみたいと思ったのだが渡る方法がなく、和邇わにを欺いて利用したのだと答えました。兎は和邇わにに自分と和邇わにのどちらが同族が多いのか比べようと持ち掛けて淤岐おきの島から気多の岬けたのみさきまで一列に並ばせました。そうして兎は数えるふりをしながら和邇わにの上を踏んで渡りましたが、兎はうれしくなって渡り終える直前につい和邇わにを騙したことを言ってしまい、怒った和邇わには兎を捕まえて仕返しに皮を剥ぎました。

八十神やそがみが兎にした仕打ちを聞いた大穴牟遅神おおなむちのかみは兎に真水で体を洗い、がまの穂をとって敷いた上に寝転がれば傷が癒えるだろうと教えました。兎が大穴牟遅神おおなむちのかみが言った通りにするとやがて傷は癒え、毛が元通りになりました。喜んだ兎は大穴牟遅神おおなむちのかみに、八十神やそがみ八上比売やがみひめを得ることはできず、 大穴牟遅神おおなむちのかみを選ぶだろうと予言を残して去っていきました。兎は菟神うさぎがみと呼ばれるようになります。

八十神やそがみは競って八上比売やがみひめに結婚を申し込みましたが断られ、兎の言った通り八上比売やがみひめ大穴牟遅神おおなむちのかみと結婚すると言いました。

用語

登場する神様

大穴牟遅神おおなむちのかみ
のちの大国主神。
須佐之男命すさのおのみこと
八岐大蛇を倒した。
八上比売やがみひめ
稲羽にいる女神。
菟神うさぎがみ
大穴牟遅神が助けたウサギ。

登場する場所

稲羽いなば
現在の鳥取県の一部である因幡いなばのこととされるが明確な記述はない。
気多の岬けたのみさき
現在の島根県鳥取市の気多岬や長尾鼻とする説がある。
淤岐おき
隠岐島とする説や、ただ沖にある島という意味であるという説がある。

他の用語

八十神やそがみ
大穴牟遅神の兄弟。たくさんの神々という意味。
和邇わに
サメのこととされる。ただし、現代と同じようにワニとする説や他の動物とする説もある。
がま
水辺に生える多年草。その花粉は古くから薬として使用された。
史料によって解釈が異なる場合があります。
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