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大山津見神の誓約

記事Nov.3rd, 2020
邇邇芸命が大山津見神の娘と結婚し、天孫の永遠ではなくなる話。
史料によって解釈が異なる場合があります。
史料によって解釈が異なる場合があります。

物語

木花佐久夜毘売との出会い

日子番能邇邇芸命ひこほのににぎのみこと笠沙かささ御前みさきにいたときに美しい少女に出会いました。日子番能邇邇芸命ひこほのににぎのみことがその名を問うと少女は大山津見神おおやまつみのかみの娘の神阿多都比売かむあたつひめ、またの名は木花佐久夜毘売このはなさくやひめだと答えました。日子番能邇邇芸命ひこほのににぎのみことは兄弟はいるかと問うと木花佐久夜毘売このはなさくやひめは姉の石長比売いわながひめがいると答えました。

恋に落ちた日子番能邇邇芸命ひこほのににぎのみこと木花佐久夜毘売このはなさくやひめに結婚を申し込みましたが、木花佐久夜毘売このはなさくやひめは父に聞かなければならないと言ったので日子番能邇邇芸命ひこほのににぎのみこと大山津見神おおやまつみのかみのもとへ使者を送りました。すると大山津見神おおやまつみのかみは大いに喜び、木花佐久夜毘売このはなさくやひめにその姉の石長比売いわながひめも添え、百取の机代物ももとりのつくえしろのものを持たせて差し出しました。

ところが日子番能邇邇芸命ひこほのににぎのみことは姉の石長比売いわながひめがひどく醜かったため、恐れて送り返してしまいました。そして妹の木花佐久夜毘売このはなさくやひめだけを残して一晩の契りを結びました。

大山津見神の誓約

大山津見神おおやまつみのかみは娘の石長比売いわながひめが送り返されてきたのでとても恥に思って返事を送りました。

大山津見神おおやまつみのかみが娘を二人とも送ったのは石長比売いわながひめが仕えれば天津神あまつかみ御子みこの命は雪が降って風が吹いても、岩のように永遠に固く動かず変わらないものになり、は木花佐久夜毘売このはなさくやひめが仕えれば木の花が咲くように繁栄するだろうと宇気比うけいをしたためだったのでした。

大山津見神おおやまつみのかみは、日子番能邇邇芸命ひこほのににぎのみこと石長比売いわながひめを送り返して木花佐久夜毘売このはなさくやひめだけを選んだことで天津神あまつかみ御子みこの命は木の花のように儚いものとなるだろうと言いました。そうして天皇の寿命は長くはなくなってしまいました。

用語

登場する神様

日子番能邇邇芸命ひこほのににぎのみこと
天邇岐志国邇岐志天津日高日子番能邇邇芸命あめにきしくににきしあまつひこひこほのににぎのみこと邇邇芸命ににぎのみこととも。葦原中国を治めるために降臨した天照大御神の孫。
木花佐久夜毘売このはなさくやひめ
大山津見神の娘。神阿多都比売かむあたつひめとも。山の神や火の神。
大山津見神おおやまつみのかみ
伊邪那岐命と伊邪那美命が生んだ山の神。
石長比売いわながひめ
大山津見神の娘。不老長生の神。

登場する場所

笠沙かささ御前みさき
鹿児島県南さつま市の野間岬のまみさきのこととされる。

他の用語

宇気比うけい
誓約うけいとも。事の正邪などを判断するために行う占い。
百取の机代物ももとりのつくえしろのもの
たくさんの飲食物がのった食卓の意味。女性の側から男性の側に贈られる結納品。
天津神あまつかみ御子みこ
天津神の子。ここでは邇邇芸命のこと。
史料によって解釈が異なる場合があります。
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