物語 天宇受賣命と猿田毘古神 猿田毘古神のその後 天宇受賣命と海鼠 用語 登場する神様 登場する場所 他の用語 物語 # 天宇受賣命と猿田毘古神 葦原中国(あしはらなかつのくに)へ降臨した日子番能邇邇芸命(ひこほのににぎのみこと)は天宇受賣命(あめのうずめのみこと)に先導してくれた猿田毘古神(さるたひこのかみ)を、お前がその名を明らかにしたのだから送り届けるように命じました。そして、猿田毘古神(さるたひこのかみ)に仕え、その名前を負い猿女君(さるめのきみ)と呼ばれることになりました。 # 猿田毘古神のその後 猿田毘古神(さるたひこのかみ)が阿邪訶(あざか)で漁をしていた時、猿田毘古神(さるたひこのかみ)は比良夫貝(ひらぶがい)に手を挟まれて溺れてしまいました。この時、猿田毘古神(さるたひこのかみ)が海の底へ沈む時に底度久御魂(そこどくみたま)、吐いた息が泡になった時に都夫多都御魂(つぶたつみたま)、その泡が水面で弾けた時に阿和佐久御魂(あわさくみたま)の三柱の神が生まれました。 # 天宇受賣命と海鼠 天宇受賣命(あめのうずめのみこと)は猿田毘古神(さるたひこのかみ)を送って帰ってくると大小さまざまな魚を集めて天津神(あまつかみ)のも御子(みこ)に仕えるかを問いました。ほとんどの魚は仕えると答えましたが、海鼠(なまこ)は何も答えませんでした。怒った天宇受賣命(あめのうずめのみこと)は、この口が答えぬ口かと言って小刀で海鼠(なまこ)の口を裂いてしまいました。それで今も海鼠(こ)の口は裂けています。また、島(しま)の初物の海産物が宮廷に献上される時は、猿女君(さるめのきみ)に賜ることになりました。 用語 # 登場する神様 日子番能邇邇芸命(ひこほのににぎのみこと) 天邇岐志国邇岐志天津日高日子番能邇邇芸命(あめにきしくににきしあまつひこひこほのににぎのみこと)や邇邇芸命(ににぎのみこと)とも。葦原中国を治めるために降臨した天照大御神の孫。 天宇受賣命(あめのうずめのみこと) 岩戸隠れの時に舞い歌った。邇邇芸命に随って降臨した五伴緒の一柱。芸能の神。 猿田毘古神(さるたひこのかみ) 天孫降臨の時に邇邇芸命を先導した国津神。道の神、旅人の神。天狗の原形とする説がある。 猿田毘古神が溺れたときに生まれた神 底度久御魂(そこどくみたま) 猿田毘古神が海底に沈んだときに生まれた。 都夫多都御魂(つぶたつみたま) 猿田毘古神の息から泡ができたときに生まれた。 阿和佐久御魂(あわさくみたま) 猿田毘古神の息から泡が水面で弾けたときに生まれた。 # 登場する場所 葦原中国(あしはらのなかつくに) 高天原と黄泉国の間にある地上の世界。 阿邪訶(あざか) 現在の三重県松阪市にある阿坂(あざか)。 島(しま) 志摩国(しまのくに)。現在の三重県志摩市や鳥羽市などの周辺。 # 他の用語 比良夫貝(ひらぶがい) 貝の怪物。ツキヒガイやタイラギなどとする説がある。 天津神(あまつかみ)の御子(みこ) 天津神の子。ここでは邇邇芸命のこと。 海鼠(こ) ナマコのこと。