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国造り

記事Oct.28th, 2020
大国主神の葦原中国の国づくりをする話。
史料によって解釈が異なる場合があります。
史料によって解釈が異なる場合があります。

物語

国造り

大国主神おおくにぬしのかみ出雲いずも御大の御前みほのみさきにいたところ、海の彼方から天の羅摩船あめのかがみのふねに乗った蛾の羽を纏った小さな神が現れました。しかし、大国主神おおくにぬしのかみがこの小さな神に名を問うても返答がなく、他の神々も誰も知りませんでした。そうしていたところ、多邇具久たにぐくが現れ、久延毘古くえびこに聞けば分かると言ったので大国主神おおくにぬしのかみ久延毘古くえびこを訪ねました。そして久延毘古くえびこに問うと、久延毘古くえびこはこの神は神産巣日神かむむすびのかみの子の少名毘古那神すくなびこなのかみであると答えました。

大国主神おおくにぬしのかみ神産巣日神かむむすびのかみに確かめると確かにこの小さな神は神産巣日神かむむすびのかみの子の少名毘古那神すくなびこなのかみであり、神産巣日神かむむすびのかみの指の隙間から落ちてしまったのだと言いました。神産巣日神かむむすびのかみ少名毘古那神すくなびこなのかみ葦原色許男命あしはらしこおのみことと兄弟となってともに国を造ることを命じました。

大国主神おおくにぬしのかみ少名毘古那神すくなびこなのかみは協力して葦原中国あしはらなかつのくに国造りくにづくりを行いました。ところがある時少名毘古那神すくなびこなのかみは自分の役目は終わったとして常世国とこよのくにへ去ってしまいました。

まだ国造りも道半ばの大国主神おおくにぬしのかみは途方に暮れていると海の向こうから海面を照らしながら神が現れました。この神は、私を祀ればともに国を造ろうと言いました。そして祀らなければうまくいかないだろうとも言いました。大国主神おおくにぬしのかみがどのように祀ればよいか尋ねると、やまとを囲む青垣山あおかきやまの東の山の祀るように言ったので、大国主神おおくにぬしのかみはこの神を御諸山みもろやまに祀りました。これが御諸山みもろやまに鎮座する神です。

そうして大国主神おおくにぬしのかみ葦原中国あしはらなかつのくに国造りくにづくりを成し遂げました。

用語

登場する神様

大国主神おおくにぬしのかみ
葦原色許男命あしはらしこおのみこととも。国の主。
多邇具久たにぐく
ヒキガエル。
久延毘古くえびこ
物知りな案山子。
少名毘古那神すくなびこなのかみ
農業や薬、温泉の神。
神産巣日神かむむすびのかみ
天地開闢の初めに生まれた造化三神の一柱。創造の神。
御諸山みもろやまに鎮座する神
名前の記述がありませんが、大物主神おおものぬしのかみのこと。国造りの神で蛇神。

登場する場所

出雲いずも
現在の島根県東部。
御大の御前みほのみさき
島根県松江市の美保関みほのせきの地蔵崎。
葦原中国あしはらのなかつくに
高天原と黄泉国の間にある地上の世界。
常世国とこよのくに
海の彼方にあるとされる異世界。
やまと
大和国やまとのくに。現在の奈良県。
青垣山あおかきやま
奈良盆地を囲む山々。

登場する道具

天の羅摩船あめのかがみのふね
ガガイモの実を割って作った舟。

他の用語

国造りくにづくり
大国主神が葦原中国を開発したこと。
御諸山みもろやま
奈良県桜井市にある三輪山みわやま。大神神社の御神体。

あれこれ

大国主神と少名毘古那神の功績

古事記では大国主神と少名毘古那神が何をしたのかについての記述がありませんが、日本書記には少し記述があります。

物語

大己貴命おおなむちのみこと少彦名命すくなびこなのみことは力を合わせ、一心に天下を治めました。

顯見蒼生うつしきあおひとくさや畜産の病気を治療する方法を定めました。また、鳥獣や害虫の被害を防ぐ方法を定めました。

用語

顯見蒼生うつしきあおひとくさ
地上の民のこと。
史料によって解釈が異なる場合があります。
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